「ふーん、それってさ、もしかしたら皆川先生のお陰かもね」
「……えっ?」
「いや…、そうだ。なんならさ、私がガツンと雅也に言ってあげようか?あんまり手がかかるようなら1度この私が強く締め上げてあげるけど?」
「え、あ、そこまでは…」
洒落にならないと思った。
彼女を怒らせるときっと真面目に怖い。
恋愛豊富で男性の扱いも慣れている三月さん。
今でこそ結婚して柔らかく落ち着いた女性になっているけれど、冗談抜きで昔は近寄りがたい雰囲気を全身から醸し出していた。
本気で怒った彼女を前にしたら、きっと雅也もたじろぐんじゃないのかな?
「有難い話だけどそれはちょっと…」
「ま、懲らしめたくなったらいつでも言って?私はいつでも掛け合ってあげるから」
「…ありがと……」
モデル並みに綺麗な彼女は本当に二人も子供を産んだの?って思うぐらいスレンダーでスタイルがいい。
その魅力はとどまることをしらず、出産してからの方が余計に女らしく、いい意味で大人の色気が出てきたと思うのはきっと私だけじゃない。
同じ女として羨ましい。
そう思うばかりで、本日何本目かのビールを開けた時、ようやく玄関の方でガチャガチャと鍵を開ける賑やかな音がした。



