お風呂から出ると、愛心ちゃんと優斗くんを寝かしつけた三月さんが後藤も一緒に飲まない?と、ビールを持って来てくれた。
とは言っても、彼女は現在母乳中だからアルコールフリーのゆるいもの。
私達は向かい合わせでダイニングの椅子に据わると、やっと気が抜けたような表情になった。
「はぁ、やっと自由だー」
「お疲れ様。毎日大変だね」
そんな会話から始まり、おつまみと甘いお菓子を出しながら私達は軽い女子会をし始める。
この一週間、これも気づけば毎日の楽しみになっている。
「でもさ、後藤のマーサッサージはかなり助かる。優斗の夜泣きもずいぶん楽になった気がするし」
「本当?それは良かった。三月さんにそう言ってもらえると私もやってる甲斐があるよ」
親子のスキンシップの一つとして注目されているベビーマッサージ。
お母さんと子供がふれ合うと眠りも深くなり、親子の絆もまたより深くなるから、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても良いことずくしなんだよね。
当然だけど、誉められるとやっぱり嬉しい…
少し得意気になりながら、本題の雅也の話に変わっていくと、私は次第にお酒を飲むスピードがぐびぐびと上がる。
「後藤はさ、本当にもう雅也に未練はないの?」
「ぜーんぜん、それがもうビックリするぐらい吹っ切れてるの」
確かに100パーセント未練はないかと聞かれたら嘘になるけれど、ほぼ気持ちはゼロに近い。
なんでかな?
自分で思うよりもけっこうダメージが少ないのだ。



