☆お見舞いに来てください☆


「先生おはようございます」


田中さんが明るく挨拶をする後ろで、私も控えめに同じ言葉を向ける。

やっぱり視線は合わせられないものの、彼には昨夜、


「少し整理をする時間をください。ごめんなさい」


という返事を送っておいた。

さすがに完全無視は感じ悪いわけで、少し距離をおいてじっくり考えるのにはその言葉が一番いいと思ったからだ。

田中さんがマザークラスの今日のスケジュールをこと細かく報告している。

私はそんな二人を前にしてやっぱり先生の方へとちゃんと目が向けれなくて。

何となく先生からの視線は気付いていたけれど、二人の会話が終わり頭をさげ、彼の横を通りすぎようとした瞬間突然後藤さん…、と静かな口調で呼び止められた。


「……大丈夫?」


その言葉に振り返りハッと顔を上げる。


「ちゃんと寝れてる?」

「……えっ?」


思わず怯える表情になっちゃったのかもしれない。

それを見た先生は再び口を閉ざし、「……いや、今日も頑張ってください」とそれ以上は何も突っ込むことはしなかった。