☆お見舞いに来てください☆


「……違うの?」

「それはちゃんと本人の口から聞いた方がいいんじゃない?」


三月さんはそう言って、食べ終わったお皿をキッチンに運んでいく。


「い、意地悪だよ、それ」

「なんとでも。まぁ、気付いてないならそのままなるように流されてみれば?言っとくけど向こうは1枚も2枚も上手だから。後藤が逃げれば逃げるほど追い詰めてくると思うよ。容赦なくね」

「なんでそんなことが分かるの?」

「そりゃあ、陽生の友達だからかな。何となく二人って似てるんだよねぇ。あ、あと経験者は語るってやつ?」


やっぱり可笑しそうに頬を上げた彼女に私は真顔になって言葉を詰まらせた。

確かに、今でこそ彼女は幸せな結婚生活を送っているが、椎名先生こと今の旦那さんと知り合う前は私なんか比べ物にならないほど大変で、過酷な人生を歩んできた。


人を信じれなかった彼女は近寄ってくる全ての人達を拒絶してた。

だけど椎名先生と出会い、三月さんは救われた。

初めは先生からの猛アプローチから始まった関係だということも聞いている。

それこそ、彼女も最初は椎名先生から逃げ続けていたことも知っているわけで。

三月さんはそのことを思いだし、私に忠告をしてくれているのだと思う。