「後藤はこれからどうしたいの?」
「とりあえずもう一度謝って普通に戻りたい」
「戻れると思う?何もなかったように」
三月さんが意地悪く言い、確信をついてくる。
「やっぱり都合よすぎなの?」
「たぶんね、きっと向こうはそうは望んでない気がする。きっと皆川先生は…」
そう言って何故か黙り込んでしまった。
そして何か思いを巡らせたようにふっと笑い、立ち上がった。
「ま、逃げたいんなら逃げてみたら?きっと後藤の思い通りにはいかないと思うけど」
「ど、どういう意味?」
「一度火を付けちゃった大人の男は怖いってこと。きっと今まで我慢してた分、先生も本気で向かってくると思うから」
「……本気で向かう?」
「あのさ、後藤。あんた本当に先生がただの同情だけで昨日後藤を抱いたと思う?」
「えっ…」
意味深な言葉に思わず固まった。
三月さんの余裕の笑みを見て、何だか急に怖さが増したから。



