今思い出しても顔から火が出るような夜だった。
自分の行動が信じられなくて、はずかしいを通り越してもう合わせる顔がなくて。
頭の中がぐちゃぐちゃでどうにかなりそうで、私はうぅ…と机の上に項垂れた。
「自分がね、こんなに節操がないとは思わなかったの」
「まぁまぁ…」
三月さんが苦笑いをして慰めてくれるけど、私はひどく落ち込んだまま。
だって、今朝もまともに先生の顔を見れなかった。
あの後、強引に抱かれたあと、タイミングよくかかってきた先生の携帯電話。
それは病院からの緊急の連絡で。
そんな彼の会話を横目に私はお辞儀をし、逃げるように先生のマンションを抜け出した。
「やっぱり勝手に帰って来ちゃたのはまずかったかなぁ?」
「かもね。私もそういう経験はあるけど、あれは次に会うときかなり気まずくなるんじゃない?」
「はぁ……」
再び重苦しいため息がこぼれ落ちる。
あの後先生からの着信が2、3回あったけれど、怖くて出れなかった。
LINEにも「無事帰れた?夜電話する」なんて入ってたけれど、既読したまま完全スルー状態だ。



