『帰りたくない。今夜は一緒にいてください』
車内に沈黙がおとずれる。
その瞬間先生が息を飲むのが分かった。
だけど止められなかった。
一度コントロールが効かなくなった私は自分から彼を誘惑するように、その体にしがみついた。
今思えばとても大胆なことをしたと思ってる。
だけど止められなくて、どうしてもあのまま一人になりたくなんてなくて。
『お願い、側にいてくれますか?』
一晩だけでいい。
今日だけでいい。
偽りでもいいから私を愛して欲しい。
『お願い、ぎゅってしてください』
そう言った私に、先生の低く掠れた声が躊躇いながら落ちてくる。
『……いいの?』
耳元で囁かれ、私は返事の変わりにより強く先生に抱きついた。
それを肯定だと分かった先生もまた、私の背中に手を回し、次の瞬間力強く抱き締め返してくれた。
『……いい?ちゃんと分かってる?後で嫌だと言われても離せないよ?』
『分かってます。離さないで、ください』
そう願ったのは私。
お願い、一人になりたくない。
今だけは…



