☆お見舞いに来てください☆


頷いた私は先生に手を引かれタクシーに乗り込んだ。

手はしっかり握られたまま、私達は寄り添うように腰を下ろす。



『大丈夫?気分悪くない?』


先生が気遣うように顔を覗き込んで心配そうに見つめる。

その日の彼はいつも以上になんだか距離が近いような気がした。

視線が交じり合うと、先生の眼差しが嫌になるほど優しくて、つい、すがりたい衝動が込み上げた。

ダメなのに。
コントロールができなくなる。


『何かしてほしいこととかある?』


その言葉は今の私には甘い蜜のような響きだった。

まるで蜜蜂が花の中にある蜜に吸い寄せられるような。

私は何かを訴えるように先生の瞳を真っ直ぐ見つめた。


『何でも言ってごらん』
『……っ……』


この時の私は感情が壊れ、理性を失いかけていたのだと思う。


ただ、甘えたい。甘えさせてほしい。

それだけが脳内を支配して、



『……寂しい、です』


離れたくなくて。
助けを求めるように口を開いた。


『寂しいの』


握られた手をほどき、そのまま先生の体に抱きついた。