そんな私を嫌な顔せず優しく介抱してくれた秀先生。
心が落ち着くまで静かで穏やかな声で大丈夫だよって、背中をそっと撫でてくれて。
その声に支えられて私は甘えるように彼の腕にすがりついた。
10才もの年の差があるせいか、友達というよりもほぼ頼れるお兄さんのような感じだった。
いつも優しくて、私の話を真剣に聞いてくれて。
今は職場の上司でもあるけれど。
長い付き合いもあるせいか、私は彼に強い信用と信頼を抱いていた。
だけど、その信頼関係を壊したのは私の方だった。
今まで築き上げてきた友情を変えたのは私のほう。
だってあまりにも彼が優しかったから。
『私ってそんなに魅力ないですか?』
『違うよ。未来ちゃんの魅力に気付けない彼の方が悪い』
『でも…、私、いつも浮気されてばかり……』
『それはまだ未来ちゃんの良さを誰もちゃんと知ろうとしないからだよ』
『うそ…、そんな慰めなんかいりません』
『嘘じゃないよ』
『じゃあ、先生は私の良さが分かるんですか?』
『分かるよ』
『嘘、男の人の言うことは信用できません。皆初めだけ…。初めだけなんです。大事にするのはいつも最初だけ…』



