「後藤もどうぞ」
差し出してくれたお皿の上にはふわふわのパンケーキ。
横には生クリームも添えてあって、私のところにもちゃんと苺がのっかている。
愛心ちゃんじゃないけれど、素直に美味しそうだと思う。
「ごめんね、また急に押し掛けちゃって…」
「何よ今さら。もう慣れっこだから」
二人分の紅茶をテーブルに置いた三月さんが私の向かいに座る。
特に話を聞きたがる素振りもなく、とりあえず落ち着きなさい。
ということなんだと思う。
今日は祝日で、幼稚園もお休み。
「そう言えば椎名先生は?病院もお休みなんじゃないの?」
椎名先生とは三月さんの旦那さんのこと。
職業はお医者さんで、自宅の近くでお姉さんと心療内科を独立して経営しているのだけど、そう言えば姿をみかけないような。
「ああ、今日は医師会の集まりがあって朝早くから大阪に言ってるの」
私の疑問をすぐに答えてくれた三月さんに納得する私。
もし家族でお出かけだったら申し訳ないから帰ろうと思ったけれど、その心配はなさそうだ。
そして今日はちょっぴり居ないことにホッとした。
だって椎名先生と秀先生はお友達なわけで。
今朝の情事を思い出すと、とてもじゃないけど顔を合わせずらかった。



