こんな日が来るのを夢見てた。

例え水嶋がどんな立場の人間だろうが関係ない。

璃子が求めているのは目の前の彼だ。彼しかいない、と。

苦しくなるほど胸が締め付けられる。

璃子は覚悟を決め、添えられた手に力を込めた。



「こ、こんな私で良かったらよろしくお願いします。どうぞもらってください」


そして涙混じりに微笑んだ。

気持ちがすぅっと晴れ渡っていく。

やっと言えた。
本当の気持ち。
ずっとずっと言いたかった彼への思いを口にすることができた時、それが喜びに変わる。



「水嶋さんが好き。大好きです。今までたくさん待たせちゃってごめんなさい」


今まで言えなかった気持ちが溢れるように飛び出した。

もう迷いなんて吹き飛んだ。大好きな水嶋と一緒にいたい。ただ、それだけ…

そしてしっかり見つめ合うと、水嶋が嬉しそうに笑い、璃子をぎゅっと抱き締めた。


「やっと言ってくれましたね」

「やっと言えました」


へへっと笑う璃子が堪らなく可愛い。
水嶋は歓喜余り、さらに強く抱き締める、が。これだけじゃ足りない。

今まで我慢した分、その全てに触れたくなり、そっと体を離した水嶋は至近距離で彼女の顔を覗き込んだ。


「璃子さん」


そして迷うことなく彼女の呼吸を塞ぐ。璃子のぷっくりとした唇に自分の唇を押し当てると、もう止められなかった。

思いの強さだけもっと…。
次第に絡み合う唇も深くなる。