そして次の瞬間璃子の頭に手を添えた。
「他に気になることはありますか?あるなら遠慮なく言ってください」
「……ない、です」
まるで愛でるようにそっと。
思わず視線を合わせると、とても大事そうに頭を撫でられた。
「あなたのこびりついていた不安は取れましたか?仁科さんには何の迷いなく僕の隣にいてほしいので」
「…水嶋さ……」
「もう安心してください。何も心配することはないですよ。邪魔する者は誰もいません。だからあなたの気持ちをちゃんと教えてもらえますか?」
空気が甘く、ドキドキしたものに変えられていく。
水嶋がゆっくりかがみ、私の左手を優しく持ち上げた。
そんな優雅な仕草を前にして、璃子の瞳は魅了されるように彼だけしか目に入らなくなる。
「璃子さん、改めて言わせてください。もうご存知だとは思いますが僕はあなたが好きです。良かったら結婚を前提に付き合ってもらえませんか?」
「ーーー」
それはまさに願ってもない告白だった。
そして熱い求愛が胸に突き刺さる。
水嶋の真剣な瞳に璃子は一瞬で心を奪われてしまう。
いや…、もうすでに、とっくに。璃子の気持ちは決まっていた。それは初めて会った時から始まり、どんなに迷いあがこうが璃子の心は他の誰でもない、水嶋へと堕ちていた。



