「その前に一つ、あなたに謝らなきゃいけないことがあって…。実は聞いてしまったんです。仁科さんが以前友達と話してるところを」
「な、なんですか?」
「少し前になるんですが仁科さん、友人とある居酒屋に居ましたよね?実はその時僕もその場に居たんです。ちょうど秘書の橘とたまたま食事をしていたというか」
「居酒屋、ですか…」
璃子は首を傾ける。
それってもしかして、先月の終わりにマユと行った所だろうか?
「店の名前はげん……、ほら、焼き鳥が美味しくて有名な…」
「もしかして駅前の、焼き鳥の源六ですか!?」
「その通り」
そんな会話に璃子は共鳴する。
最近仕事が忙しかったせいか、友達(マユ)と仕事帰りに行った場所なんてそこしか思いだせない。
ていうよりそこしか行ってない。
じゃあ、あの時水嶋達も一緒の場所にいたってことで、
そっか…、と納得したのはいいものの、次の瞬間その時の自分達のしていた会話を思いだし、璃子はギョッとした表情を水嶋に向けた。



