「お土産買ってきますね。何かリクエストとかありますか?」
「いえ、そんなっ……」
申し訳ないです。と言いかけたところで再び水嶋がふっと口元を緩める。
その表情は柔らかく、璃子はやっぱり顔を赤らめてしまう。
「…あの……」
「少し話しがそれてしまいましたね、すみません。仁科さんはどこからどこまで聞きたいですか?」
璃子はほんの一瞬考えたが、すぐに自分の正直な気持ちを告げた。
「できれば全部、分かりやすく…」
「ですね。分かりました」
そして再び考える素振りを見せたあと、水嶋は璃子の目と視線を合わせ、ゆっくりと言葉を選びだす。
そして解き放たれた次の言葉に璃子はまたしても、驚きの声をあげてしまう。
「そうですね。まず、これは偶然ではないんです」
「えっ」
「正確には色んな偶然と偶然が重なって、今回のお見合いは偶然じゃなくなったというか」
「…それはどういう……」
さっぱり分からない。
偶然と偶然が重なって?
それはどういうことだろう。



