今日もボールを追いかける。




あたしは、加賀に投げてもらいたい。


加賀のことが好きだからそう思うのかもしれないけど。


3年生がいるし、エースじゃないから先発なんてものは夢のまた夢だけど、加賀の投げる姿を見たい。



……加賀に、投げて欲しい。



「加賀ならできるから。だから、頑張れ」


「…ありがとう、な」



あたしの思いが伝わったのか、加賀がふわりとはにかんだ。


…かっこいいな。ちくしょう。



近い存在としていられているはずなのに、それ以上にはなれないなんて。残酷だ。


もっと近づきたいって、欲張りたい。


…欲張ったところで、遠くなるだけだろうけど。


だけど本当は、加賀のとなりで、特別なポジションで、加賀のことを応援したい。