「部活、いいの?」


「………」


「………」


「……やべぇ」



…ですよね。だってもう、真っ暗だもん。


部活に行かないと、スランプなんて関係なしに背番号をもらえないんじゃないかな。


加賀の顔はサーッと青ざめていき、さっきまでの赤顔はどこへやら。



「…悪い。もう行くな。気をつけて帰れよ?」



もう真っ暗だから。そう続けながら慌ててグラウンドへと向かおうとする加賀。



…ホントは、待ってろよって、そう言われたいし、待ってるよって、そう言いたいけど。でも。


加賀の言葉は、部活がどうしてもかなり遅くなっちゃう彼なりの優しさだろうから。



「…うん。加賀、頑張って」



あたしは笑顔で送り出した。