「あーあ。泣くなよ。俺が泣かしたみたいに見えんじゃん」
「加賀が、泣かしたんだよ。……嬉しいこと、言うから」
照れくさそうに笑った加賀は、さっきと同じように、またあたしに手を伸ばす。
…今度は拒まないよ。
振り払う、わけがない。
あたしの頬に、加賀の指先が触れた。ゴツゴツしてる、男の人の手。
その指が、優しく、壊れ物を扱うかのようにあたしの目下をなぞる。
触れ合った部分から、愛しさが溢れ出す。
「……あ、」
「……なに?」
幸せに浸っていると、加賀が不意に声を漏らした。
それと同時に、手の動きも止まる。

