今日もボールを追いかける。




「今のお前に背番号を渡したら、3年生に失礼だろう。あいつらだって欲しくて欲しくてたまらないんだ。今まで、必死に頑張ってきたんだからな」


「……はい。すみません」



今度ははっきりと聞こえた声に、ドクリと心臓が波打った。


いや、だって。…この声は、



「責めているわけじゃない。…お前も試合には出たいだろうが、今はとにかくこの状況から抜け出すことを考えろ」


「……でも、」



間違える、はずがない。


間違えることなんて、死んでもない。



「心配するな。俺はな、お前ならできると思ってる。だから今は、自分自身を信じて、踏ん張って、突き進め。…加賀、焦るな」


「……はい」



ーー…紛れもない、加賀の声だ。