変える勇気もない現実を考えていると頭にすこしの重みを感じた。
伏せがちになっていた目を開いて上を見る。
あたしの頭に伸びている小麦色の腕。
…また、思わせぶり発動してる。
「…なにしてんの」
「ありがとうの気持ちを行動で示してみた」
「……はぁ…」
…なんでこんなにドキドキさせるかなぁ。
加賀の手はあたしの頭の上にあって。
ポンポンと優しくリズムを刻んでいた。
無意識にこういうことをするからタチが悪い。
ほかの子にも平気でこういうことするんだ。…もう嫌になる。
だって、辛いもん。自分が特別な存在として見られていないって面と向かって言われてるみたいで。
それに、これ以上ライバル増やさないでよ。

