ふと浮かんだ
君の言葉
まだ僕の心に
残ってた

もう声は
聴こえなくて
顔や仕草も
おぼろげで


「今、元気でいますか?」

「幸せですか?」なんて


そんな事は
僕が知る必要は
何処にも
無いんだけどさ

ちょっとだけ
苦しくて
ちょっとだけ
笑っていて


ああ、懐かしいと思うくらい

君が思い出になっていたんだ


これからも、ずっと
今以上に、もっと
綺麗で曖昧な
この景色と
君の、あの言葉が
僕の心の中に
在り続けるのだろう


『うん、そうだね』

『うん、分かっているよ』


今、ほんの少し
本当に少し
だけなんだけどさ
君の声が
聴こえた様な
気がしたんだよ
君は聴こえるのかな?

僕の声は……
(聴こえない方が、いい)
僕の声は……
(聴こえない方が、いい)

小さな波が
寄せては返し
僕の中で
砂の音が響く