俺は昔から感情が薄い。今の場合は、先生に対して寂しさを感じなかったというより、そもそもの愛着自体が薄かったんだと思う。
感情の欠如とまではいかないけれど…たぶんそれの一種。
「瑞希?聞いてる?」
「えっ悪いなんて?」
これが俺の悩みだったりする。
「だから、警察だよ」
…警察?
「最近多くね?今日なんて見たの6人目なんだけど」
幸二の視線の先を見ると、警官が1人いた。
「…たしかに、多いかも、なんかあったんじゃないの?」
「物騒だな、なんか」
俺たちは、アイスを食べ終わると、暑い、とぼやきながらも家路をたどった。