「まー、話はこれくらいにして、勉強始めようか。」
和斗は、眼鏡をかけながら言った。
眼鏡姿の和斗も知的でかっこいい!

「えーー。もっと、いろんなお話し聞かせてほしいなぁ。今日は、お勉強お休みしませんか?」


私が、甘えた目でうるうると見つめると、

「はぁー。しょうがないなぁー。」


和斗は、呆れたように言う。

ほんとに、和斗はシスコンなんだから。私に甘すぎ!

「やった!ねぇねぇー、英語の本三冊読み終わったよ」

「じゃあわ、今度、続き持ってくる。」
和斗が、私の頭をよしよしと撫でた。


ガラッ

ドアが開いていて、レンが驚いた顔でこっちを見ている。

「何してんの!てか、和斗がなんでここに?」


レンは、驚いて戸惑っている感じだ。

仲がそんなに良くないのは本当みたいだ…。

「何って…。かわいい美空に会うために来ちゃダメか?。」

からかうように和斗は言うと、私を抱き寄せた。

「ちょ!!和斗!何言ってるの!?」
私は、慌ててしまう。

「みく、和斗と付き合ってるの?」

レンは、珍しく硬い表情で聞いてきた。


「いやいや、だから違うよ!いとこだよ!いーとーこー!和斗の父親とと私の父親が兄弟なの」

私が、答えると、レンは、安心したように、息を吐いた。

二人が目の前に並ぶと、レンと和斗だと断然和斗のほうが身長が高い。

いつも、穏やかな和斗がこんな風になるのは意外で驚きだ。

「びっくりしたー!和斗!からかっただろ!」

和斗を見上げて、文句言う姿は本当に、キャンキャン吠える子犬みたいに見えてしまう。

「普通、美空と俺の名字が一緒な時点で気付け!ほんと、お前は、相変わらずだな。」

和斗は、なだめる様に言うけど、挑発にしか聞こえない響きだ。

「和斗もな!みくと全然似てないもん!」

レンはふてくされ気味に言う。


「あ、うん。だっていとこだと血筋も薄いし、私は、お母さん外国人だから、そっちの血も入ってるし、あんまり似てないよ」
私が、言う。

「いや、性格がだよ!和斗はすごくむかつくー!」
レンがむくれる。

「はいはい。ムカついて悪かったな。」
和斗は軽く、レンを流すと、時計をチラリと見て、
「あ、悪い、美空。俺体育祭の話し合いがあってそろそろ行かなきゃいけないんだ。ごめんな。」
私に、優しく笑った。

「気にしないで!忙しいのにごめんなさい。」

「いいんだ。俺が来たくてきてるんだから。」

私達が話すと


「俺と全然反応違う…。」

レンはいじけている。けど、和斗は私ににこやかに手を振ると、レンのことは気にせずさっさと、病室から出て行ってしまった。