「みく、和斗と仲いいの?」

レンが聞いてきた。


「うん!私にとって和斗は大切で特別な人。和斗がいない今なんて考えられないな。」

「みくは、和斗の事好きなの?」

「大事な、いとこだもん!ほんとに大好き!優しいし尊敬してるし、すごいと思う。ほんとにほんとに好きだよ!」



…。



レンは、俯いている。


「レン?」

「俺は…。俺は、そんな風に思えない。
和斗はさ、いつもいつもできない俺を見下してて、和斗は、努力しなくても何でも出来て、あの余裕のある雰囲気ムカつくし…。俺ずっと…和斗の事が嫌いだ!」

消え入りそうな声で、苦しそうにレンは、呟いた。


え…?

私は、つぶやきを聞いた瞬間、全身が冷えていくようなでも、熱いような感情がふつふつと溢れてくる。



「レンは勘違いしてるよ!

和斗は、いつも人の何倍も努力してるよ。

確かにプライドは高いけどそのぶん誰にも負けないぐらい努力してる。


私が寂しい時会いに来てくれるよ!どんなに忙しくても私のために来てくれるよ?

バカにして見下してるなんて事あるわけ無い!
なんでわからないの?
レンの事あんなに認めてるのに、口に出して直接言えない素直じゃない和斗も悪いけど、なんにも知らないでそんな風にしか思えないなんてよくないよ!レンの事褒めてたもん!和斗はレンを認めてたもん…。」




涙が溢れてくる。

とめどなくずっとずっと…。




私は、大切な人を悪く言われたから泣いているんだろうか。



それとも、素敵な人だと思ってた人に裏切られたような気分でいるからだろうか。

自分で自分の気持ちがわからない。

ただ、苦しくて苦しくて、
私の心の中が、真っ黒な色で染められたような感じがした。
私は病室から飛び出した。