【朝陽side】

_「ただの幼なじみなんだから」



そう羽衣に言われたとき、ドクンと心臓が動いた。



確かにそうだ。俺たちは……付き合ってるわけじゃないんだから。




*****


「それさ、羽衣ちゃんヤキモチ妬いてたんじゃねぇの?」




「は?誰にだよ」




「周りにいた女子たちに。香坂さんにも会ったんだろ?」





「それで何で羽衣が妬くんだよ」




「朝陽のことかっこいいって言ってたから?」




駿の言うことが理解できない。





「ま、羽衣ちゃんに限ってそれはないか……」





「当たり前だろ。羽衣にとって俺はただの幼なじみなんだから」





あいつが俺を好きだなんて天地がひっくり返ってもないだろう。