「知らない!!」




結衣の言葉も軽く流して私は電車に飛び乗り開いてる座席にドカッと腰を下ろす。



「羽衣ー!」



私達が乗ったのはその遊園地が終点の電車。向かい合わせのテーブルつきの座席だ。





「羽衣ちゃんご機嫌ななめ?」




駿くんが私の顔を覗き込んで言ってきたけどシカト。




「夕月くんってもっと大人っぽい王子様だと思ってた」




「あ?俺はこーゆーやつなの。王子様とか嬉しくねえし」




朝陽がスマホをいじりながら結衣にそう言った。




「羽衣、菓子よこせ」




朝陽がこっちを向いたのに気づいて私は視線をそらす。




「……」




お菓子ぐらい自分で持ってきなよ、そう言ってやりたいけど今は話したくない。



私はバックに入れておいたクッキーをバサッと朝陽の前に置く。




「……幼稚園児かよ。いつまで拗ねてんの?」




「……別に拗ねてない」




何で怒ってるかなんてわかってるくせに。朝陽のバカ