「羽衣、おかえり」




「お母さん、ただいま」




ほかの人を巻き込むのも、迷惑をかけるのも嫌だった私は誰にも今まで言わなかったんだ。


朝陽のことでたまにミクちゃんに文句を言われたり嫌がらせされたりしていたことを。





「……ふっ…グスッ……」





さすがにこの日は限界で。ためていたものが溢れたように泣き続けた。





「羽衣」





そんなときも、支えてくれたのは朝陽だったんだ





なにがあったんだ、とかを聞くわけでもなく。ただそばにいて背中をさすってくれて。