「羽衣、おはよう」




「おはよう、お母さん。すぐご飯出すからちょっと待ってて!!」




朝から家の中で一人バタバタしてるのは私、稲葉羽衣(いなばうい)。高校二年生。




「いいのよ、それより早くアサヒくん起こしてあげなさーい」





「分かってる!!」




リビングを出て階段を上がる。そして二階の一番奥の部屋の前で私は足を止めた。