教室の扉を開けると、またも衝撃の光景が視界に映った。




「羽衣……結衣……」



黒板に、大きく‟稲葉羽衣はクソビッチ”と書かれていた。




先に来ていたクラスの子も心配そうな顔で私を見ていて。





「最低。ありえない」




結衣は黒板消しを手にどんどん消していった。




どうしてこんなことをするの？と私は誰も座っていないし荷物もかかっていない香坂さんの席を見た。





「羽衣……「ごめん、このことは誰にも言わないで」





幸い来ていたのは女子二人だけ。