「夕月、稲葉。文化祭実行委員決めとけー」





ゴンが教室の端っこの椅子に座り、私と朝陽は前に出る。





そう、私と朝陽は学級委員なんだ。




「じゃあ文化祭実行委員を決めます」




教卓に手をつき、ニコニコいう朝陽と後ろで黒板にメモしていく私。




「おい、説明しろ」




笑顔のままこっちを向いて小さく低い声で言われた。





「えっと、文化祭実行委員の活動は明日から文化祭最終日の次の日までです。各クラス男女一人ずつで放課後の実行委員会には学級委員二人と文化祭実行委員で出ます。」





私は文化祭実行委員の仕事を説明する。





「クラスの出し物から準備や片付けの指示は学級委員はせず、文化祭実行委員二人で手分けしてやってもらいます」





仕事が多いから、毎年やりたいという人はほとんどいない。






「仕事が多い時は私と夕月くんも手伝います。何か質問はありますか?」





………






「なければ選出にうつります」





最後まで完璧な笑顔で言い終えた私は横にいる朝陽に目で合図する。