お父さんは、
また一緒に食事をしようと言ってくれた。
これから、もっと仲良くやっていけたらいいな。
私も両親も……。

帰り道。
私と池上さんは、一緒に帰った。
駅まで歩きながら私は、池上さんにお礼を言った。

「あの……今日は、ありがとうございました。
母が失礼な事ばかり言ってすみませんでした」

一時的は、ダメかと思った。
でも池上さんの誠実さが両親の考え方を
変えてくれた。
私に勇気をくれた。

「大したことは、してないよ。
もう無我夢中で、ずっと緊張して
ヒヤヒヤしていたからね。
でも、良かった……分かってもらえて」
照れたように笑う池上さん。

「あの……どうしてあんな風に
言ってくれたんですか?」
気になって質問をしてみる。
普通なら怒っても仕方がないのに……。

「うん?そりゃあ当然だろ。
結婚相手に考えている人のご両親なら
気に入られたし。でも、大切なのは、
自分のプライドよりも君だと改めて自覚した。
だからあんな風に頭を下げられたんだ」

「俺は、一ノ瀬さん…いや明里と結婚したいと思っている。
こんな頼りない俺でもついて来てほしい」
そう言ってプロポーズしてくれる。

「……はい。」
涙が出るぐらい嬉しかった。
私は、池上さんのことを好きになれて
本当に良かった。

お互いに照れたように笑うと
池上さんが私に
「あのさ、今から家に来ないか?
一人暮らしで散らかってるけど…良かったら」

まさかの自宅に誘われる。
えっ?それって……まさか!?