緊張しながらも必死に頭を下げる。
するとお父さんが

「もういいじゃないか。
2人は、真剣に言っているんだから」
私達をかばってくれた。

「お父さん……」

まさかお父さんが、かばってくれると思わなくて
驚いてしまう。
いつもお母さんと意見を尊重して何も言わないのに。

「ですが‥……」
納得のいかないお母さんは、言い返そうとする。

でもお父さんは、
「明里もいい大人だ。
自分の良し悪しは、自分で決められる。
それに、そこまで明里のことを想ってくれる男は、
なかなか出会えるものじゃない」

「いいんじゃないか?
もう少し2人を信じてみても」
私達を信じてくれた。

お父さん……。

お母さんは、少し黙った状態で
私達を見る。
「……そうね。明里も大人になったのかもしれないわね」

「お母さん……」
私は、嬉しくて池上さんを見る。
池上さんもニカッと嬉しそうに笑ってくれた。

その後の食事は、何事もなく
穏やかなまま過ごすことが出来た。