「そうですね……留学経験は、残念ながら。
英会話スクールで学んでました。あと独学で……。
それもあってか年収は、そんなに高くありませんね」
苦笑いしながら言う池上さん。
「まぁ、そうなの……」
残念そうな表情をするお母さん。
母のあからさまな態度にヒヤヒヤする。
いくらなんでも失礼過ぎる。
私は、年収とかで付き合うとか判断していない。
純粋に池上さんだから好きになったのに……。
「お、お母さん。そんなことよりも
食事にしましょう。せっかくの料理が冷めちゃうわ」
私は、慌てて話題を逸らした。
「それもそうね」
何とか話題を逸らせた。
問題は、これからだ!
色々考えていたのだが、私の口から
本当の事を話そう。
池上さんが左利きだって
例えいい顔をされなくても……
「さぁ、食べて池上さん」
「はい。いただきます」
すると池上さんは、スッと左手で箸を取った。
あれ?池上さん!?
あんだけ練習をしたはずのに
左手で箸を使い食べ始めたじゃないか。



