私は、どうしたら良かったのだろう?
池上さんを悪く言われるのが嫌だっただけなのに。
知らない間に傷つけていたなんて……
自分の愚かさを悔やんだ。
そんな私にも変わらずに優しく笑ってくれる
池上さんに対して申し訳なくて思えた。
どうにかしなくちゃあ……
そんな気持ちを抱えたまま
両親との外食の日を迎えてしまう。
料亭で食事をすることになったのだが
その空気は、緊張のせいか重苦しいものだった。
「はじめまして。
明里さんとお付き合いをさせて頂いています。
池上裕一です」
頭を下げて挨拶をする。
まともに名前を呼ばれたのは、初めてなので
何だかくすぐったい。
するとお母さんが
「こちらこそ。はじめまして
明里の母です。
池上さんのことは、娘から聞いています。
同じ会社の先輩なんですってね?
しかも海外営業部の」
池上さんに対して質問をしてくる。
「はい。そうです。
海外の方に製品を売り込んだりしています」
「まぁ、凄い。
なら英語とか堪能なのかしら?留学経験とかあるの?
年収は、おいくらぐらいかしら?」
お母さん……質問し過ぎだから。
しかも年収とか失礼だし。



