気になる彼は、左利き!?


「それって、なんかおかしくないか?
相手側の両親に好かれたいと思うのは、分かるけど
それで池上に右利きになれって……まるで
池上を馬鹿にしてるのと同じじゃないか?」
柏木さんがキツい指摘をしてきた。

「なっ!?違います。
そんなつもりは、ありません!!」
慌てて否定をする。

私は、池上さんを馬鹿にしたつもりはない。
ただ両親に良く思ってほしくて

「柏木。そんな言い方をするな。
一ノ瀬さんに失礼だろ?」
池上さんが私をかばってくれる。

「でも事実だろ?大体さ……左利きだからって
何かを言われるのっておかしくないか?
左利きなのは、池上の特徴じゃん。それをわざわざ
変えさせようって……池上自身を否定してるのと
同じじゃないか」

その言葉にズキッと胸が痛んだ。

確かに柏木さんの言う通りだわ!!
私は、ずっと両親……お母さんの意見に
疑問を持っていた。

何で左利きじゃダメなの?

私は、左利きで居たいのに、どうして
使ったら怒られるの?私は、私なのに……

いつの間にか私は、お母さんと
同じことをしていたんだ。
隠そうとさせたり……知らず知らずの内に
自然のままの池上さんを否定していた。

「…………。」
言葉を無くす。

「いや。一ノ瀬さんは、そんな意味で
やっている訳じゃないよ。
そこの家のやり方や躾の仕方があるから
俺が、それを見習おうとしたまでだし……別に構わない」
池上さんは、そんな私にフォローをしてくれる。