「うん。頑張る……」
そう言いもう一度右手で箸を持つ。
正しい箸の持ち方をする池上さんだが
右手になると持ち方までおかしくなってしまう。
あぁ、これだとお母さんに認めてもらえない。
焦りながらそれを見ていたら
「あれ?何で池上さん。右手で食べてるの?」
ひょっこりと顔を出したのは、柏木さんだった。
「あ、柏木さん!?」
「お疲れ。今、右手の使う練習をしているんだ。
今度一ノ瀬さんの両親に会うから……」
苦労しながら事情を話す池上さん。
すると柏木さんは、しれっと池上さんの隣に座る。
「で?何で一ノ瀬さんの両親に会うのと
右手の練習をするのが関係あるんだ?」
不思議に思い質問をしてきた。
それは……
「あぁ、一ノ瀬さんのご両親は、
躾に厳しいらしくてね。
左利きをあまりよく思われていないらしくて。
やっぱり最初に会うんだし、いい風に
思われたいと思って。あ、また失敗……」
そうしたら柏木さんは、
はぁっ!?と言う表情をしてきた。



