『うん。いずれ会うなら早い方がいいからね。
それに厳しく躾をされてるってことは、それだけ
一ノ瀬さんを大切にしているってことだし。
なら、俺も出来るだけそれに応えないとね』
池上さん……。
なんて優しい人だろう。
私の両親をそんな風に見てくれてるなんて
うん?それにいずれ会うならって……えぇっ!?
それって私とのこれからの付き合いを
考えてるってこと?
いずれは、結婚とか……
そう考えると身体中が熱くなってくる。
『だとしたら、せめて右で箸を使えるように
ならないとな。最初は、良く思われたいし』
「はい、頑張って下さい。応援してます」
私は、嬉しそうに言う。
しかし私は、大事なことを
この時は、何も考えてもいなかった。
翌日。
いつものお昼に食堂で一緒に食べるのだが
池上さんは、右手の練習をしていた。
ただ私と違いまったく左手を使えない池上さんは、
かなり苦労をしている。
ガタガタ震えるためポロッとご飯を
こぼしてしまった。
「くっ……右利きだとやりにくいな」
「頑張って下さい」
私は、一生懸命応援をする。



