「別にそんなに警戒しなくても
もう何もしないよ!今は、池上にアタックしたり
仕事で忙しいし」
そう言いながら自販機から出てきたコーヒーを取った。

「いや、警戒とかじゃありません。
まぁ、確かに警戒する相手でもありますが。
それよりも……いいんですか?
すっかり噂が流れてしまって……モテていたのに
人気に影響しませんか?」

気になっていたことだから尋ねてみた。
人気にビビが入ってもいいのだろうか?

しかし柏木さんは、
「別に。俺は、女性にモテたい訳じゃないし。
普通に仕事をこなしていたら女性軍団が勝手に
騒ぎだしただけで意識すらしたことがない」
キッパリと否定をしてきた。

意識をしてなくてもあんだけモテるなんて
羨ましい限りだ。

「それよりも俺は、好きな人に振り向かせたい。
今は、無理でも……いずれ振り向いてくれればいい」
飲みながらも真っ直ぐな表情で言う柏木さん。

彼の本気が見えてくる。

柏木さんは、人の目よりも
好きな人を一途に想っているんだなぁ……。
頑張ってほしい。

ハッ!!いやいや。
何ライバルを応援してるのよ!?
この人は、私の敵なのに。

「い、池上さんは、私の彼氏なんですから
必死にアプローチしても無駄ですからね!?」
慌てて言い返した。

そんな手には、乗らないわよ!!