それから数日後も
柏木さんは、必要以上に池上さんに接してくるようになり
あの一方的にライバル視をしていると言う噂は、
いつの間にか消えて

今では、柏木さんと池上さんは、
デキているんじゃないのか?とか、2人共ゲイなのか?とか
色々噂が流れるようになった。

女性社員は、ショックを受けるんじゃないかと思われたが意外にも一部の女性社員にウケてしまう。
中には、

『例えゲイでも構わない』

『ショックだけど、それでもカッコいい……』
受け入れたり
むしろ観賞用として承諾してしまう人達も居た。

そんな2人を見て1番面白くないのは、
池上さんの彼女になった私だ!
私の存在は、忘れられている。いや、むしろ
視界にも入っていないだろう。

確かに柏木さんに比べて
私は、地味で目立たない存在だけど……さすがに
それは、悲しい。

ハァッ……と溜め息を吐きながら
会社に設置してある自動販売機で飲み物を買う。
すると

「あ、お疲れ様」
柏木さんが現れた。

うっ……今、会いたくない人に会ってしまった。
恋のライバルだから、なおさら気まずい。

「お疲れ様です……」

柏木さんは、そのまま自販機のところに行くと
コーヒーを買い始める。