それから
私達は、晴れて付き合うことになった。

部署か違うためいつものように
お昼に食堂で待ち合わせをして一緒に食べる。
……はずだった。

「あの……何で柏木さんも一緒に居るんですか?」

何故だかあの日以来。
気持ちを知られた柏木さんは、池上さんに
ベタベタと引っ付いてくるようになってしまった。
まるで開き直ったみたいに。

「別にいいだろ?食堂は、皆が使うものだし。
それに……今まで気持ちをバレて引かれるのを嫌で
あまり近付けなくて歯痒い想いをしていたけど
気持ちを知られたら
気持ちがスッと楽になったんだよね。
これで心置きなく池上にアピールが出来る!」

いやいや。
あなたは、フラれていますから!?

「柏木……俺。
君とは、付き合えないと言ったよな?」
溜め息混じりに言う池上さん。

「確かにあの場は、フラれたけど
別に彼女……一ノ瀬さんとずっと付き合える保証はないだろ?
だったら諦めずにアタックすれば
いつか叶うかもしれないし、身を引いたら負けだって
小山も言っていたからさ。
だから俺も負けずにアタックすることにしたんだ!」

今まで以上の極上の笑顔で言う柏木さん。
それは、もう……普通の女性なら一瞬で恋に落ちそうだった。

『…………。』
お互いに言葉が出なかった。

まさか、意外なところから恋のライバルが
現れるなんて
夢にも思ってみなかったわ。

私達の恋は、まだまだ
波乱が起こりそうな予感してならなかった。