チラッと池上さんを見る。
頬を赤くさせながら困惑していた。

池上さん……?

「何回も言ってるが悪い。
お前の気持ちに応えられない」

「何で!?」

「梨乃のことは、ずっと妹のように
思ってきたからだ」

「妹みたいにって……酷い。
どうして?そんなに、この女の方がいいの!?
私の方が裕君の事をよく知ってるわ。
裕君と同じ左利きだし。さっき聞いていたけど
この女は、左利きとしてのプライドがないのよ!!」
怒った梨乃さんは、無茶苦茶なことを言ってきた。

えっ……?

左利きの……プライド?

それは、池上さんも言っていた言葉だった。
胸がズキッと痛む。

梨乃さんは、ジロッと私を睨み付けてくる。

「あんたは、左利きになる資格も
裕君の彼女になる資格もない女なのよ!!」