「いや、別にいいし。
それよりも……お前は、そろそろ」

「あ、そうそう。
最近オープンしたお店がここにあるのよ!!
テレビで報道されていたんだけど
すごくお洒落なイタリアンのお店なんだ~」
池上さんに被せるように言う梨乃さん。

明らかにそれ以上言わせないように
言っているのが見え見えだった。

さすがに私も苛立ちを覚える。
せっかく池上さんが誘ってくれたのに……。
すると

「梨乃!!」
その態度に怒った池上さんは、
梨乃さんの名前を呼んだ。

池上さ……ん!?

驚いていると梨乃さんは、そのまま
泣き出してしまった。

「だって私。
裕君を誰かに取られるの嫌だったんだもん。
ずっと、裕君のこと……想いを寄せて
アタックしてるのに。
裕君……私の気持ちを無視して、他の女と
デートするとか言うし。悔しくて」

「り、梨乃……!?」
さすがに驚く池上さん。

やっぱり……梨乃さんは、池上さんのこと
好きだったんだ!?
そうじゃないかと思っていたけど……なんたが
直接聞くとショックを受ける。

池上さんは、この告白をどう受け止める気だろうか?
心臓がズキッと痛む。