カツン カツン

ガチャン

「お待ちしておりました。間部奏様。ご主人様と亜紀様がお待ちです。」

「ありがとう。」

どこぞの高級ホテルの様な豪華な装いのロビー。

堂々としていればいい。

「ママ。パパ。どうしたの?」

そこに着くと、両親がいた。


「奏。座りなさい。」

「はい。日野さん今日はお招き、ありがとうございます。」

亜紀は、短時間でここまで冷静になってる。
どうかしてるわ。

「いやいや、こちらこそ。婚約の話を検討して下さりありがとうございます。さぁ、座って座って。」

「日野会長。会見の日程は1週間後はどうでしょうか?」

待って。聞いてない。
婚約?ママ、パパ?虹の事。知ってるよね。

どうして?

「奏さん?どうされましたか?」

「ごめんなさい。いきなりのサプライズだったもので、驚いたの。」

「そうですか。ハハハッ!サプライズ!面白いじゃないですか!」

「会長。話を進めましょう。それで、会見の場所ですが、、、我がグループの帝国ホテルのホールでよろしいですか?」

「良いのですか?ではそこにしましょう!亜紀。お前は幸せモノだな。こんな綺麗なお嫁さん貰えて!」

「父さん。本当に、僕は幸せモノです。間部さんも、縁談を了承していただき、感謝します。」

こんなのアリなの?

「それにつきまして、会見まで、奏をここで住まわして、環境に慣れさせたいのですが?」

「いいですよ!」

「ありがとうございます。」

「ちょっとママ!パパ!」

「ちょっと黙ってなさい(コソッ。では、使用人に頼んで荷物持ってきてもらうので、部屋に案内してもらえます?」

「わかりました。亜紀。Aの5。」

「分かった。奏。行こうか。」

「うん。」

最後に、ママとパパを見たら、会長と話していた。
これから、1週間。辛いんだろうな。

「虹。」

今までの日々にさよならして、そう呟いた。