あれから15分。

「誰かって、誰?」

私は、そこに引っかかった。

「本当に、虹は何を考えてるの。」

虹の事を考えたら自然に笑みがこぼれた。

コンコン

「間部奏さん。いらっしゃいますか?」

「はい。」

「入りますよ。」

ガチャ。


ドアをあけてすぐ、"誰か"が話した。

「ふーん。貴女が間部奏ね。今すぐこれ着てついて来て。」

「うん。」

渡された紙袋の中には、綺麗なマーメイドドレスが入っていた。

「ごめんなさい。ここのチャック閉めてもらえる?」

「はい。」

すぐに着替えて彼女に着いていった。

「乗って。」

「うん。」

車に乗った。

「ねぇ。今から、どこに行くの?」

「今から、説明するわ。今から日野宅に行って挨拶するの。婚約のね。」

「婚約?でも私は!?」

「これは貴方のためなのよ。それに私は、貴方の味方。」

「うん。分かったわ。で、私は、どうすればいいの?」

「とりあえず、ドレスの内側に発信機、及び盗聴器を仕掛けているわ。それで、日野社長にできるだけの情報を録ってきて。それからもう一つ。これは虹さんの言いつけ。殺されないようにね。」

「亜紀が私を殺す?」

「そう。もしかしたら殺そうとして来るかもしれない。俺達は1週間でかたをつける。それまでは、頑張ってくれ。そう、虹さんは言っていたわ。後ね、これは私からなんだけど、キスしちゃダメよ。」

予想外の事を言われて驚いた。

「キスは愛する人とじゃないと。そうでしょう?」

「そうね。1週間頑張るわ。そういえばあなたの名前は?」

「城島瑠羅。佐久間家のメイド長です。そして、日野亜紀の腹違いの姉。もう縁切ってるけどねー。」

「そーなんだ。こんなに若いのに。」

「若くないよー!なんせもう23だからね。」

「6歳差。凄い。」

「もう着くわよ。心構えは?」

「勿論。出来ているわ。」

「どんな事が起きても驚かないでね。」



そして、私達は敷地に入った。