カツン。カツン。

アイツが階段を上がる所だった。


「奏。来い。避難するぞ。」

「皆は!皆をおいて行けない!」

「今はお前の方が、お前だけが大切なんだ。皆。おまえの為に戦ってる。雄飛がセキュリティ固めてくれるから逃げるぞ。」

「うん。」

頼む。コイツだけは守ってくれ。
離さないでくれよ。

「お前ら!頼んだぞ。」


そう言い残して、地下のスペースに入った。

ここもいつ、破られるか分からないが、俺の家まで持つはずだ。

「俺の家まで走れるか?」

「うん。」

「走るぞ。」

奏の手を握って走った。

ガシャンガシャン。

俺達は、無言で走った。