奏Side

奴は雄飛と舞美が帰ってから、すぐに来た。

「奏を出してくれないかな?」

ザッ。

「お前。誰だ?」

「鬼牙の総長。間部亜紀。奏を迎えに来た。」

「奏さんは、俺らの姫だ。渡すかよ。虹さん!」

「お前ら、全員で守り切るぞ!」

「「はい!」」


彼等は私の為に血を流した。

カツン。カツン。

亜紀は最小限の動きで、正確に、急所を狙う。

ほぼ歩きながら。

ピリリ。ピリリ。

「ごめん。電話。すぐに終わる。」


虹は多分、雄飛であろう電話をとった。