奏Side

「ママ。パパ。入るよー?」

ガチャ。

「ママ。パパは?」

「婚約者の顔なんか見たくないって言って帰ったわよ?」

「そっ。せっかく挨拶がてら久し振りにご飯一緒に、二人で!食べてあげようと、」

「本当か!?」

ほら釣れた。

「ほらパパ。座って。」

「はい。」

「虹。入っていいよー。」

ガチャ。

「失礼します。佐久間財閥次期社長。佐久間虹です。奏さんと真剣にお付き合いさせて頂いています。」

「虹。そんなにかしこまらなくてもいいよ。」

「奏。いいじゃないのこの子。この結婚きに、佐久間財閥とも強い結びつきできるし一石二鳥だわー♪」

「ごほんっ!虹君と言ったね。君は族か何かに入っているのか?」

「はい。泉龍の総長をしています。」

「あら!泉龍!そんなに大きくなったのね。」

「会長は泉龍を知っているんですか?」

「虹。知ってるも何も、ママ。初代。」

「えぇ!すいません。そんな事も知らず僕は。」

「良いのよ。それより。高校卒業後。結婚する気ある?」

ドキッ。

「はい!あります。お互い、成人したら社長職に就きます。忙しくなるのは承知です。ですが、僕は、彼女を、奏を幸せにします。」

そこには、しっかりと未来を見据えた眼差しがあった。

あっ。この人は、運命の人だ。

「奏。いい人に出逢ったな。」

「うん。」

「これからも奏をよろしくね。虹さん。」

「はい。」

そして、その後は、ケーキバイキングを楽しんだとさ。