友理奈さんと別れた5分後で。

「ご機嫌いかがです?間部様。」

ドクンッ。

「あら、日野さん。お久しぶりです。」

彼は日野亜樹。私と同い年にして大企業の社長。

そして、幼馴染。


「今更敬語なんていらないか。」

「そうね。でも、なんでここへ?」

ドクンッ。ドクンッ。
脈拍数が上がる。

怖い。

憎い。

早くどこか行って。

嫌な記憶がフラッシュバックする。

「奏?聞いてる?」

「あっ、ゴメン。ボーとしてた。もう一回話してくれる?」

「僕はね。奏の仮の婚約者として、ここに呼ばれた。ペア限定だけど裏のルートでね。」

「えっ?」

ドックドックドック。

そこへ、

「奏!遅れてごめん!ん?コイツ誰?」

「虹。良かった(ボソッ。この人は、日野亜樹。幼馴染。日野corporationの社長。同い年よ。」

「日野……。あぁ。奏の婚約者で彼氏の佐久間虹です。奏ご両親に挨拶しに行こう。」

「うん。じゃあね。」

やっぱり虹の手が好きだ。