キーンコーンカーンコーン

「皆さぁーん。今日は、微分と積分をしまぁーす。」

うわっ。香水キッツい。ここまで臭うし。

「泉龍の皆さんはぁ簡単かも知れないですねぇ。ではぁ、やってぃきまぁす。ここはぁ……」

なにこれ。分かりにくい。皆の顔見てみ?嫌そーな顔ばっかりよ。
私もなってるかも。

「ちょっとぉ!藍田さぁーん。ナニをボォーッとしているのぉ!罰としてこれを、解きなさぁい。」

黒板に書かれたのは、かの有名な、H大学の入試問題。
正解率は、0.00001%

つまり、十万人に1人。その一人が私だったりするから、

ものの、1分で解いてしまった。

「えっなんであなたなんかが、解けるのよ。いいわ。貴女は、教師に楯突いたので、退学よ!私ぃ。理事長に気に入られてるのぉ。」

キモいキモい。

タイミング良く、

「はぁい!野々さんだよ!呼ばれた様だから来たけど、雲雀先生。どうしたんです?」

おお!理事長っぽい!

「あっ、理事長ぉ。藍田さんがぁ、私にぃ、楯突くんですぅ。退学ですよねぇ。」

うわー!迷惑そうな顔してるよ。

「分かりました。では荷物を持ってこの学校から去ってください。ありがとうございました。」

「ほらね!さっさとって、なんで私なんですかぁ!?」

「奏。もーばらしていいぞー。面倒くさい。」

「はぁい。」

カツンカツンカツン。

バン!


「私!藍田奏は藍田ではなく、間部奏と言います!間部グループの次期社長です。!よろしく!」

そう言うなり、三つ編みウィッグを取って、厚底メガネも取った。

ザワザワと驚きが隠せないようです。

「間部グループ?聞いた事ないわ。まぁいいわ。私の父様はどこでも潰せますわ。理事長。今までぇありがとぉございましたぁ。みぃんなぁもぉげぇんきでね。」

最後までキモいオバサンでした。

「で、数学どうするの理事長?←嫌味」

「うっ、そ、そうだな。各自テスト勉強。他のクラスの邪魔にならないようにね。じゃあねー。」

野々ちゃんは去っていった。

「俺等もサボろーぜ。」

そんな声が所々聞こえる。虹はサボる気がないらしい。

「ねぇ。奏。ここわかる?」

舞美が後ろを向いて聞いてきた。
見せてきたのは、確かテスト範囲ではなかった図形だ。
舞美のお願いだしやっちゃおう!

ん?これは、
「ハート型。」

「そっか。ありがとう。」

なにやら嬉しそうに笑った。

なにか良いことがあるのか?あったのか?

教えてくれてもいいと思うけど。まぁいいや。