バタン!

「え、えーと。泉龍の皆さん。50メートル走測るみたいなので、グランドに集合と、先生が。」

入ってきたのは、華本舞美と、藍田奏だった。

俺は、チャンスだと思って、翼に目配りした。

翼は頷き、

「ありがとう!すぐ行くって先生に伝えといて!ま、な、べ、さん!」

「はい。ってはぃぃい!」

かかった。

「おい。間部じゃないよな。あ、い、だ、さん。」

コイツら驚いた顔してやがる。よし。もう一息だな。

「泉龍の姫に、なるんなら、秘密にしてやってもいいぜ。勿論、華本舞美さんも。」

これで、コイツラは俺等の姫だ。

「あっ、バラしてもらって構わないので、姫にだけはなりません。」

「そうだね。姫はやだ。て事で早くグランド来てね。泉龍さん。」

そう言って屋上から出て行った。

正直驚いた。
俺等が姫になれと言って、断る奴がいると思わなかった。

「虹。どうする?」

「まだ、バラすな。確証は持ててねーよ。明日。正体表すぞ。体育祭は眼鏡禁止だ。」

「それがあったな。」

「よーし!走るぞー!」

「翼。翔起こしてから来いよ。」

「えー。またぁ。翔ー。起きてよ。」

俺等はグランドに向った。


虹SideEND