彼の腕の中で小さく言ったから聞こえなかったのだろう。 彼が首を傾げているのが分かった。 『…なんでもないです…』 照れながらも彼の顔を見上げて、笑顔を作った。 でも目が合うと恥ずかしくなって慌てて彼の胸に顔を埋める。 ―なんて幸せなんだろう。腕の中でニヤけてしまいそうになる。 彼の体温を感じているだけで気持ちが穏やかになってく。